エプソンアトミックス株式会社

社名 エプソンアトミックス株式会社
本社所在地 八戸市河原木海岸4の44
電話 0178(73)2801
設立 1999年10月
事業内容 金属粉末・金属射出成形部品・人工水晶原石の開発、製造、販売
資本金 4億5000万円
売上高 118億6000万円(2024年3月決算)
従業員数 386人(2024年4月現在)
支社・支店・工場 北インター事業所
関連会社 セイコーエプソン
【HP】  https://www.atmix.co.jp/ 【採用サイト】  https://www.atmix.co.jp/recruit/recruit_top.html

代表取締役社長 大塚 勇 氏

採用情報

職種 新卒/製造
中途/製造、経理、営業、社内システムエンジニア、安全企画・管理、産業廃棄物・施設保全管理
勤務地 八戸市
勤務時間 通常勤務 8:30~17:15、
変則勤務 8:30~16:45、16:30~24:45、24:30~8:45
インターンシップ あり(8月、2月)
社会人採用 あり。随時
採用実績 2023年度25人、2022年度28人、2021年度25人(中途も含む)
初任給 修士了25万6000円、大卒23万5000円、高専卒21万2000円、専短卒19万8000円、高卒18万1000円
諸手当 通勤、時間外、休日出勤、深夜業、変則勤務、役職、扶養など
昇給 年1回
賞与 年2回(6月、12月)
休日休暇 通常勤務:土日祝、お盆、年末年始(年間125日)、交替勤務:シフト制月9日以上(年間112日)、年次有給、慶弔など
大卒選考の流れ 書類選考→1次試験(適性・面接)→2次選考(面接)→最終選考(役員面接)

驚きと感動与える製品

―経営理念は。
スマートフォン、パソコン、自動車部品などの原材料に使用される微細金属粉末は世界トップシェア。理念は「驚きと感動を与えられるような製品作り」。中国、韓国の業界参入があり、日本は価格勝負では苦しくなる。電力や資材も高騰し、賃金も上がる中、生き残れるモノ作りをしなければ。価格以上に価値がある製品で戦うしかない。性能が良く、優れた品質の製品を作りたい。常にナンバーワンのメーカーを目指していく。
―今後の事業展開は。
2025年6月には新工場の稼働を目指しており、不要になった材料で次の時代の新素材を作りたい。質の良い金属を溶かして、粉末にすれば新たな材料に生まれ変わる。資源確保や環境負荷低減につながることを期待したい。人材確保も難しくなっているので、業務の自動化による省人化にも力を入れていきたい。
―人材育成への取り組み。
研修制度を増やし、中途採用者や5、10年目の区切りでも外部講師を招いた研修を行う。月に1、2回は教育日も設けて作業や安全、設備について教育する。必要な資格は会社がお金を出して取得できる。ポジティブシンキングで、やる気と夢がある人に入ってほしい。商品が世界で活用されているのはやりがいだ。
―特色ある福利厚生は。
プロスポーツチームのスポンサーでもあり、会社から観戦チケットの配布があるため、従業員は無料で試合を観戦できる。また、社内には社員食堂があり、低価格で食事ができる。工場の熱暑対策としてサントリーのDAKARA給水所も設けている。

八戸/ヴァンラーレ勝利へカツカレー(2024/6/17)

カツカレーを食べてダービーマッチに勝つ―。来月のサッカーJ3・ヴァンラーレ八戸―松本山雅FC戦を前に、エプソンアトミックス(八戸市)は10日、社員食堂のイベントメニューでカツカレーを提供し、決戦への応援を呼び掛けた。
同社がパートナー企業として支えるヴァンラーレに対し、松本山雅は親会社のエプソン(長野県諏訪市)がサポート。両社は2チームの対戦を“エプソンダービー”と位置付け、盛り上げを図っている。
10日は八戸市の北インター事業所に大山晟那(22)、坂本琉維(22)両選手が訪問し、カツカレーで英気を養った。大山選手は「サポーターを笑顔にできるよう頑張る」、坂本選手は「ダービーなので絶対勝つ」とそれぞれ決意を語った。
両選手はこの後、社員に来場を呼び掛けるチラシを配った。決戦は同市プライフーズスタジアムで、7月6日午後6時キックオフ。

エプソンアトミックス新工場地鎮祭/関係者 工事の安全祈願/八戸(2023/10/13)

微細合金粉末の生産で世界トップシェアを誇るエプソンアトミックス(八戸市、大塚勇社長)は12日、同市北インター工業団地4丁目の分譲地に新設する「北インター第二事業所」の建設に向けた地鎮祭を現地で開き、関係者が工事の安全を祈願した。新工場は今月15日着工、2025年6月の稼働を目指している。
新工場は不要になった金属の再生工場。同社の製造過程で規格外になった金属粉末製品や、同社やエプソングループが排出する金属くず、金属端材などを、同社の金属粉末製品の原料として再資源化、年間約5千トンを再生する計画だ。
分譲地は約2万9千平方メートルで、約55億円を投じて床面積3617平方メートルの工場棟、同345平方メートルの受変電棟、同356平方メートルの事務所を建設する。
同社の拠点は同市河原木海岸の本社、北インター工業団地2丁目の北インター事業所に続き3拠点目。
神事の後のあいさつで、大塚社長は「より一層、地球環境に配慮したものづくり工場として循環型経済をけん引する。当社が生み出すマテリアルの力で新たな未来、社会の発展につながるものづくりに貢献していきたい」と抱負を述べた。

八戸三社大祭お通り/地元企業祭りを下支え/行列に従業員参加、人員不足補う/「貴重な機会」伝統継承への思い強く(2023/8/2)

新型コロナウイルス禍を乗り越え、4年ぶりに神社行列と山車の合同運行が再開した八戸三社大祭。空白期間の影響による人員不足が課題となっていた中、1日の「お通り」では龗(おがみ)神社の行列に地元の企業や事業所が協力し、地域の祭りを下支えした。厳かな神社行列の一員となり、八戸市中心街を練り歩いた各社の従業員は「貴重な機会」「地域を盛り上げたい」と伝統継承への思いを強くした。

今年初めて協力した八戸通運からは、合同運行に従業員6人が参加。髙林秀典社長は「本社と龗神社は同じ地域にあり、ずっと守ってもらってきた。地元の祭りに協力したい」と話す。
お通りで笠鉾(かさほこ)を担当した大久保元貴さん(34)は「めったに経験できることではない貴重な機会。緊張感もあるが、楽しみたい」と充実感をにじませた。
同じく初参加のエプソンアトミックスからは、7人が行列に加わった。坂下義虎さん(19)は「4年ぶりの神社行列に参加できた。人手が足りていないという話は聞いていたので、会社として貢献できるのがうれしい」と笑顔を見せた。
7月に修復を終えたばかりの山車人形「武田信玄」の屋台山車を引いたのは、東北電力ネットワーク八戸電力センターの従業員。行列には例年協力しており、この日は21人が参加した。
森善則所長は「歴史や伝統をつないでいくのに関われるのは光栄なこと。一緒に楽しみながら、まちおこしをしたい」と語った。
龗神社の坂本博史権禰宜(ごんねぎ)は手厚いサポートに謝意を示しつつ、「企業の方々に三社大祭という地域の誇りを知ってもらえる機会にもなる」と、企業との連携を進める意義を強調した。

エプソンアトミックス(八戸)とスポンサー契約(2023/6/21)

金属粉末の製造、販売を手がけるエプソンアトミックス(八戸市)は20日、今季のスポーツクライミングワールドカップ(W杯)のボルダー競技に出場した、八戸学院光星高1年の関川愛音さん(15)とスポンサー契約を締結した。同社が遠征などの活動費の一部を支援する一方、関川さんは同社のロゴなどが入ったユニホームを着用する。契約期間は来年3月末まで。1年ごとに更新を検討する。
同社は地元のプロスポーツ4チームとスポンサー契約を結んでおり、今回が5件目。関川さんの地元企業との契約締結は3件目。
同社で開かれた記者会見で、大塚勇社長は「当社のキャッチコピーの『八戸発 世界へ』に共感していただいた。クライミングを楽しみながら世界で活躍してほしい」と期待を寄せた。
関川さんは「県外の企業だと急に離れてしまうこともある。地元企業からの支援は安心できて、本当にありがたい」と感謝の言葉を述べた。

エコノミックマンデー サブチャンネル/拓く 北奥羽の経営者たち/合金粉末生産で世界トップシェアのエプソンアトミックス社長 大塚勇氏/環境配慮と技術開発に挑戦/「自分たちを超えられるのは自分たちだけ」(2023/5/8)

八戸から世界へ」を掲げ、微細合金粉末の生産で世界トップシェアを誇るエプソンアトミックス(八戸市)。合金粉末はスマートフォンや自動車などに搭載される電子部品の原材料となる高機能素材で、特に海外メーカーからの引き合いが強い。素材開発者から経営者となった代表取締役社長の大塚勇氏(55)に、「ナンバーワン」であり続ける意義などを聞いた。

―高機能素材の業界は変化と競争が激しい。現状をどう見る。
ウクライナ危機の影響に加え、自動車の高機能化を背景に前世代型の半導体の供給が不足している。一方で、スマートフォンなどに使われる性能重視の半導体に関しては、中国での需要が低調になり、今までのように右肩上がりではない。
そのため、電装化や自動運転技術が進む自動車に軸足を移し、車載向け電子機器の材料を積極的に提供しようと取り組んでいる。
ただ、この業界は世界的に競争が激しく、当社の製品に似た物も市場に出てきた。全体の技術や製品レベルを上げる必要がある。
―新型コロナウイルスが収束し、新たな事業展開を迎える。
コロナ禍の約3年間で、生産力強化やそれに伴う人材採用に力を入れてきた。重要なのはブランクをどう埋めるか。その間は海外へ情報を取りに行けなかった。競合他社は開発や生産の増強が進んでいるだろう。当然、3年前とは環境が変わったと考えた方がいい。先を走る側より、後を追ってくる側の方が強い。われわれはトップランナーだが、振り向くと中国や韓国などの新規参入メーカーがいる。将来有望な市場だけに、この4、5年で加速度的に増えたと感じる。
―近年は環境負荷低減の取り組みを進めている。
コロナ禍の中で最も進めたのは「環境シフト」。工場はグリーンエネルギーに切り替えた。大量のエネルギーや資源を使う素材メーカーにとって、環境対策は軽んじられない問題だ。抜本的にものづくりを変えなければ、今は良くても10年後には許されない状況になっているかもしれない。
まだ小規模だが、工場に太陽光パネルを設置し、エネルギーを作るテストをしている。工場で使う地下水のリサイクルシステムも導入した。廃熱エネルギーの活用も検討を進めていく。
八戸北インター工業団地に金属を再資源化する工場の新設を計画し、2025年の完成を目指している。環境配慮型のものづくりにシフトしていきたい。一人一人が限られたエネルギーを効率良く使い、将来と向き合うことが大切だ。行政には、補助金などでその動きを後押ししてほしい。
―微細合金粉末の生産で世界トップシェア。ナンバーワンのこだわりは。
会社のDNAとして、他社が作れないものを作ることを重視している。約20年前に事業を始めた時は市場規模も小さく、赤字だったが、自分たちしかできないことを伸ばそうと取り組んできた。それが今も生き残っている理由だと思う。
ただ、現状に満足してしまえば、ナンバーワンではなくなり、今後は生き残れない。新製品は完成した瞬間に「基準」になる。さらに良い性能や品質に高めるにはどうすればいいか、チャレンジする意識を従業員にも持ってもらいたい。
業界トップの優位性は、常に製品が注目を集めることにある。「自分たちを超えられるのは自分たちしかいない」との考えを大事にしたい。当社の新素材が、新たなアイテムが生み出される一助になればいい。
自社製品は約8割を海外に輸出している。世界から見れば、東京も京都も八戸も同じ「点」に過ぎない。「八戸から世界へ」のビジネスで、今後もローカルから挑戦していきたい。

■会社概要
本社は八戸市河原木海岸4の44。1999年10月設立。セイコーエプソン(長野県諏訪市)が全額出資するグループ会社。従業員数約370人。資本金4億5千万円。本社工場のほか、八戸北インター工業団地内に「北インター事業所」を構える。

■略歴
おおつか・いさむ 千葉市出身。大手機械メーカーを退職後、2004年に入社。粉末開発技術部長、取締役粉末総括部長を歴任し、16年4月から現職。10年に東北大の社会人コースで博士(工学)を取得した。

蕪島のウミネコ、浮世絵風に/ヴァンラーレ 来季新ユニ発表/サッカーJ3(2022/12/23)

サッカーJ3のヴァンラーレ八戸は22日、2023シーズンの新ユニホームを発表した。八戸市の海をテーマに、蕪島周辺の穏やかな波と上空を飛ぶウミネコを浮世絵風にアレンジしてデザイン。地域密着のクラブとして、“八戸らしさ”を押し出した。胸部分には、メインパートナーとなるエプソンアトミックス(同市、大塚勇社長)の企業ロゴが掲出される。
新ユニホームには、蕪嶋神社にあやかり、J2昇格に向けて「株を上げる」との願いも込めた。シャツの首元はウミネコのくちばしをイメージし、赤と黒のツートーンとした。
22日は、関係者が同市多賀多目的運動場管理棟でお披露目会見に臨んだ。ヴァンラーレの下平賢吾社長は「エプソンアトミックスなどユニホームパートナーの思いを受け止め、選手、スタッフが一丸となって全力で戦っていく」と決意。同席した大塚社長は「来シーズンは一つでも上の順位を目指し、地域に驚きと感動を与える活躍を期待している」とエールを送った。
新ユニホームを着用したMF新井山祥智は「ヴァンラーレは八戸を背負っている。地域のためにしっかり戦っていく」と意気込みを語った。

産業や文化魅力体感/大学生、エプソンアトミックスなど見学/県若者定着へ「発見ツアー」(2022/8/25)

青森県内への若者の定着や還流の促進に向け、県は23日、大学生が八戸圏域の産業や文化、人に触れるツアー「YES!AOMORI発見ツアー」を開いた。青森中央学院大経営法学部の2、3年生13人が、微細合金粉末の生産で世界トップシェアを誇る八戸市のエプソンアトミックスや、三陸復興国立公園の種差海岸などを見学し、青森の価値や魅力を体感した。

エプソンアトミックスが製造・販売する金属粉末はスマートフォンやパソコン、自動車部品の原材料として使われ、8割を海外に輸出している。
事業管理部の白鳥達也課長らは、同社の金属粉末の製造方法「S.W.A.P.(スワップ)法」が世界唯一の独自技術であることを挙げ、「他社がやっていないことをするから新しい道が開け、会社が成長する」などと学生に説明した。
同大3年ディクソン太陽さん(21)=十和田市出身=は「仕事に誇りを持って働いていると感じた。自分も胸を張って仕事を説明できる大人になりたい」と話した。
この後、一行は種差海岸で地域密着のツアーを展開する「ACプロモート」(八戸市)や、農業者と連携した地域おこし事業を手がける「南部どき」(南部町)の代表から、それぞれの取り組みを学んだ。

25年6月操業開始目指す/市、県と協定締結/エプソンアトミックス(八戸)新工場(2022/07/21)

微細合金粉末の生産で世界トップシェアを誇るエプソンアトミックス(八戸市、大塚勇社長)は20日、金属を再資源化する新工場「北インター第二事業所」について、青森県、市と事業所開設に関する基本協定を締結した。新工場は同社が事業所を構える北インター工業団地内に建設し、2023年7月の着工、25年6月の操業開始を目指す。整備に当たり、地元を中心に約20人の採用を見込む。
同社の微細合金粉末は、スマートフォンやパソコン、電装化された自動車などに使われる電子部品の原材料となり、約8割を海外に輸出している。
資源循環可能な金属粉末製造の確立を目指し、新工場では、生産工程などで不要となった金属を再資源化する。年間約5千トンを再生する体制を確保。稼働から3年程度で、同社が必要とする金属原料の約4分の1まで置き換え、地下資源の消費抑制につなげたい考えだ。
建設地は同社の北インター事業所から約1キロで敷地面積は約2万9千平方メートル。建物や生産設備への投資額は40億~50億円を見込む。
八戸グランドホテルで行われた調印式には、大塚社長、熊谷雄一市長、柏木司副知事が出席。熊谷市長は「環境面でも世界をリードする企業になると期待する」と述べた。
大塚社長は「次世代につながる資源循環可能な生産工場の実現を目指す」と意欲を示した。

八戸・エプソンアトミックス/北インター団地に新工場/市が分譲方針(2022/5/21)

八戸市は20日、北インター工業団地の2万9021平方メートルを、微細合金粉末の生産を手がける「エプソンアトミックス」(同市、大塚勇社長)に分譲する方針を明らかにした。同社は金属を再資源化する新工場を整備し、2025年の稼働開始を目指す。同工業団地の分譲率は98・7%に上昇する。
売り払い金額は4億8600万円。市は6月に開会予定の市議会定例会に関連議案を提出し、議決を得た後、本契約を結ぶ。
新工場で同社は、製造工程で不要となった金属を原料として再資源化。再生原料は同市河原木の本社と、北インター工業団地内にある事業所で製品化する。
場所の選定理由について、同社の大野龍一事業管理部長は取材に「輸送コストが抑えられる距離の近さや敷地の規模を考慮した」と説明した。建物と生産設備への投資額は数十億円の見込みという。
熊谷雄一市長は同日、新工場の建設について「循環型社会の実現に重要な取り組みと認識している。地域経済活性化に期待したい」とのコメントを出した。
同工業団地の分譲用地は残り2区画の計1万3千平方メートルで、完売が近づいている。

教訓胸に備え徹底/工場内に避難場所確保、事業継続計画随時改定(2021/03/09)

 未曽有の被害をもたらした東日本大震災の大津波を教訓に、八戸市の臨海工業地帯に拠点を構える企業は減災・避難対策を講じている。大規模工場は従業員の人数も多く、一時避難場所の整備や定期的な防災訓練を通して予測不能な自然災害に対応してきた。一方、緊急事態でも損害を最小限に抑え、早期復旧や生産活動の継続に向けた方策を取りまとめた事業継続計画(BCP)の策定も進展。計画を戦略的に運用する「マネジメント」の重要性が高まり、震災から10年がたつ今も各企業は備えと対策の見直しを図っている。
 電子部品の原材料となる微細合金粉末を製造するエプソンアトミックス(同市)は、河原木海岸地区にある本社工場が震災の津波に襲われた。場内一帯は1メートルほど浸水し、電源関係やポンプといった重要な機械設備が大きな被害を受けた。
 当時は自社製品の需要増を背景に、新工場を建設する場所の選定を進めていたが、震災を受けて高台に適地を求めた。市内の内陸部にある八戸北インター工業団地を候補地に決め、2013年10月に「北インター事業所」を開設した。
 臨海部の本社工場では、14年1月に4階建ての厚生棟を新設。高さ20メートル超の最上階は避難エリアとし、場内で働く全従業員を十分に収容できる約300人分のスペースを確保している。
 食料や飲料水、毛布、非常用発電機、簡易トイレなども備蓄。帰宅困難者を想定し、約150人が3日間の避難生活を送れるように準備した。震災の記憶を風化させないよう、当時の被害状況を伝えるパネルを展示し、毎年3月11日には避難訓練を実施している。
 北インター事業所の開設は、予期せぬ災害に備えた「リスク分散」の要素もあり、本社工場が被災した際は代替生産する役割を担う。BCPは随時改めており、緊急時の原料・資材調達や輸送手段を確保して生産活動の継続を図る方針だ。
 事業管理部の大野龍一部長は「BCPは自己評価して何度も見直している。緊急時に計画に沿って運用できるよう、試行や訓練を重ねていきたい」とし、実効性の向上を重視している。
 八戸港の臨海工業地帯北部に、約148万平方メートルの広大な敷地がある三菱製紙八戸工場。協力会社の関係者も含め、日中の場内では約千人が働いている。
 震災後は津波に備えた避難計画を作成し、従業員らが24メートルほどの高さがある複数の建物に一時避難する対策を講じた。10年前に津波被害が大きかった区域に面した海中では現在、国によるしゅんせつ土砂の埋め立て工事が進められており、事業が完了すれば減災につながることも期待される。
 一方、国が公表した日本海溝・千島海溝沿いを震源とする巨大地震モデルを踏まえ、同社は新たな対応にも乗り出している。市が大規模災害時に自衛隊施設を緊急避難場所にできる協定を締結し、従業員らが陸上自衛隊八戸駐屯地内に避難することが可能になった。
 八戸工場総務グループの太田中公典グループリーダーは「自然災害に備えて防災訓練などを続け、日頃から防災意識を高めていきたい」と話している。

北奥羽は採用意欲維持/大学生らの説明会解禁(2021/03/02)

 2022年に卒業する大学生・大学院生らの新卒採用の会社説明会が1日に解禁され、就職活動が本格的に始まった。新型コロナウイルス感染拡大の影響で、全国的には学生優位の「売り手市場」が途絶えたとの見方もあるが、北奥羽地方の企業は特定業種を除いて採用意欲を維持しているようだ。一方、コロナ禍の就活は非対面のオンライン化が主流になり、企業側も学生側も制約の中で手探り状態が続く。従来のセオリーは様変わりし、双方が“コロナ2年目”の採用と就活の在り方を模索している。
 昨年の会社説明会シーズンはコロナ禍が直撃して全国的に中止が相次いだが、22年卒の就活ではインターンシップの段階からオンライン化が急速に進んだ。
 青森県内の大学なども、解禁初日からオンラインによる会社説明会を開催。八戸高専の説明会には例年並みの約160社がリモートで参加し、大きなトラブルなく終了したという。
 例年、建設や製造、情報通信業などの求人が多い八戸工業大も同日からオンライン説明会を開始。就職課の担当者は「今年も技術系企業や地元企業からは、例年と変わらない水準の求人がありそうだ」と話す。
 22年卒の大学生らの新卒市場を巡っては、コロナ禍のダメージが大きい飲食や宿泊、交通、観光産業などで全国的に採用を減らす動きが広がる。ただ、近年の人手不足を背景に、継続した新卒採用に取り組んできた地元企業は、引き続き採用意欲が高い傾向にある。
 総合人材サービス大手「マイナビ」(東京)の青森支社によると、同社と取引関係にある県内企業で採用を中止、縮小するのは全体の1割程度にとどまる。堀内翔平支社長は「一部業種は厳しいが、新卒全体としてはそれほどの影響はないだろう」とし、売り手市場が続くとの見方を示す。
 電子部品の原材料となる微細合金粉末を製造するエプソンアトミックス(八戸市)は、例年より多い採用枠を予定。事業管理部の白鳥達也課長は「学校関係の説明会はオンラインが増えたが、ウェブ対応に加えて会社見学会も開催したい。学生に会社の雰囲気を知ってもらうことが就職後の定着にもつながる」と語る。
 学生はコロナ禍による変化に戸惑いながら就活に臨んでいる。八戸学院大3年の女子学生(21)は「今年は入り口をあまり絞らず、できる限りエントリーして内定をもらえるように頑張りたい」と意気込んだ。
 一方、昨年は大半が中止に追い込まれた対面での合同説明会は、就職情報会社などが一転して開催。東京や名古屋、大阪などの主要都市で行われ、千葉市の幕張メッセではリクルートキャリアが人数制限を設けて実施した。マイナビは約500社以上が参加する大規模な説明会を配信した。
 政府が日程ルールを主導するのは21年卒に続き2年目。3月1日から会社説明会、6月1日から面接などの選考活動、10月1日に内定解禁と定めているが、既に選考を開始する企業もあり形骸化が指摘されている。

合金粉末生産ライン増設/エプソンアトミックス(八戸)(2020/10/15)

 微細合金粉末の製造で世界トップシェアを誇る「エプソンアトミックス」(八戸市、大塚勇社長)は、同市の北インター事業所内に合金粉末の生産ラインを増設し、14日に稼働を開始した。同市河原木の本社工場と合わせた合金粉末の生産能力は、2025年までに現行の約1・5倍に当たる年間1万5千トン程度に増強することが可能になる。
 同社が製造する合金粉末は、スマートフォンやノートパソコンといった高機能モバイル機器に使われる電子部品のほか、医療用特殊機器やオフィス用事務機器などに使用される金属射出成形部品の原材料となる。
 13年に開設された北インター事業所内には、「水アトマイズ(粉末化)法」と呼ばれる方法で合金粉末を製造する工場棟と、独自の「S.W.A.P.(スワップ)法」で特殊な「アモルファス合金粉末」を生産する専用工場などがある。今回増設したのは、水アトマイズ法によって合金粉末を製造するラインで、投資額は約15億円に上る。
 品質に優れた同社の合金粉末は、次期通信規格の第5世代(5G)移動通信システムや自動車の電装化の進展などを背景に、国内外で一層の需要拡大が見込まれている。市場ニーズに合わせ、北インター事業所では、これまでも工場やラインの増設を進めてきた。
 大庭司事業管理部長は取材に「新型コロナウイルスの影響で世界的に足元の経済は停滞しているが、5Gなどの流れもあって微細合金粉末の需要はさらに伸びていくだろう。新ラインの稼働開始により、今後も高品質な製品を安定的に供給していきたい」と話した。

ガンダリウム合金を再現? 40周年記念ガンプラ完成(2020/08/08)

 玩具の製造、販売などを手掛ける「BANDAI SPIRITS」(東京)は、人気アニメ「機動戦士ガンダム」に登場する「ガンダリウム合金」を模した金属素材を使ったガンダムのプラモデル(通称・ガンプラ)を商品化し、同社の公式ショッピングサイトで予約を受け付けている。ガンプラ発売40周年記念プロジェクトの一環。“素材開発の集大成”に位置付けるガンダリウム合金の精製には、八戸市の企業「エプソンアトミックス」(大塚勇社長)が協力した。
 商品は「ガンダリウム合金モデル1/144 RX―78―2ガンダム」で、価格は税込み22万円。全高は約12・5センチ。7月21日の予約開始後、わずか1分で完売した人気ぶりで、現在は2次予約の受け付け中だ。
 ガンダリウム合金は、劇中でガンダムの装甲材などに使われているチタン系合金で、低重力下の月面で精製された。今回はアニメの設定に倣い、チタニウム、アルミニウム、希土類イットリアを混ぜ、MIM法と呼ばれる最新の金属成形技術で再現。プラスチック製の内部フレームに、“地球版ガンダリウム合金”を装甲としてはめ込み、組み立てることができるという。
 プロジェクトに協力したエプソンアトミックスは、同市内の本社工場と北インター事業所の2拠点体制で生産活動を展開。スマートフォンやウエアラブル端末など、多様な電子部品の原材料となる微細合金粉末の生産を主力事業とし、金属射出成形による部品製造なども手掛ける。微細合金粉末の生産では世界トップシェアを誇る。

エプソンアトミックス労組がストレッチマットなど寄贈(2020/02/21)

 八戸市のエプソン労組連合会アトミックス労組(田中宣明委員長)はこのほど、同市の社会福祉法人東幸会に、ストレッチマットやカラオケ用モニターなど10万円分を寄贈した。
 同会は同市大久保の「大久保の里地域交流ホール」を地域住民に開放。ホールは健康体操や写経、卓球教室などの場として活用されている。本紙の報道で活動を知った同労組が寄贈を申し出たという。
 同会の伊藤友子理事長は「活動に目を向けてくれたことに感謝している。マットなどは早速役立てたい」と話した。

「地元就職促進策を」/誘致企業、八戸市に要望(2019/08/31)

 八戸市は30日、市内に事業所を置く誘致企業との意見交換会を八戸グランドホテルで開いた。産業界全体で人手不足が深刻化している現状を背景に、業種を問わず人材確保を課題に挙げる企業が大半を占めた。特に若年層の採用を重視しており、市に対しては「魅力あるまちづくりを進めてほしい」との要望が頻出。地元就職やUIターンの促進策を求める声が上がった。
 誘致企業の意見を市の産業振興施策に反映させることを目的とし、2年ごとに開催。今回は工業や畜産、ITなどの企業30社の他、青森県、八戸商工会議所、教育機関などの関係者が参加した。現在、市の誘致認定件数は116件に上る。
 企業側は事業概要や直面する課題、行政への要望を説明。多くの企業が人手不足に苦しんでいる現状を示し、「特に機械系の学生・生徒の獲得が厳しい」「県外からも募集し始めた」といった声が聞かれた。
 働き手を十分に確保できず、受注を断ったり、事業拡大の障壁になったりしているケースも。打開策として、女性や海外人材の雇用に注力する企業もあった。
 新規採用後は定着や育成が重要になるため、エプソンアトミックスの大塚勇社長は「人材を採用しても3~5年は習熟期間が必要。長いスパンで若い人を採用していきたい」と述べた。
 この他、工場などが集積する八戸北インター工業団地にある企業は、通勤時の渋滞解消や従業員が利用する路線バスの増便を要望。物流で八戸港を活用する三菱製紙八戸工場などは、港湾の利便性向上やコンテナ貨物船の増便を求めた。

エプソンアトミックス(八戸)が微細合金粉末の生産能力増強へ8億円投資(2019/05/25)

 スマートフォンなど電子機器の原材料となる微細合金粉末の生産で世界トップシェアを誇る「エプソンアトミックス」(八戸市、大塚勇社長)は24日、同市の北インター事業所内に開設した「アモルファス合金粉末」の製造工場の生産ラインを増設し、稼働を開始したと発表した。投資額は約8億円。市場ニーズが高まっているアモルファス合金粉末の生産能力を増強し、2023年までに年間6千トンの生産を目指す。
 工場は17年12月に完成。同社によると、開設当初は25年までにフル稼働させる予定だったが、アモルファス合金粉末の活発な需要動向を踏まえて計画を2年前倒しにした。
 生産ラインは一つ増えて2ラインに増設。今後、最新鋭の製造装置や設備などを段階的に追加し、23年までのフル稼働に向けた生産体制を整える方針だ。
 同社はスマホや自動車、ウエアラブル機器などの部品の原材料となる微細合金粉末を生産。特に、高機能素材のアモルファス合金粉末は、エネルギー伝導性や軽量性に優れ、電子機器の高性能化を背景に市場ニーズが拡大しつつある。
 同社は04年、独自の「SWAP製法」を開発し、アモルファス合金粉末の量産化に世界で初めて成功。主力製品として、国内外への供給量を増やしている。

エプソンアトミックス(八戸)が微細合金粉末の生産能力増強 自動運転、5G、IoT…成長産業に対応(2019/05/24)

 スマートフォンなど電子部品の原材料となる微細合金粉末の生産で世界トップシェアを誇る「エプソンアトミックス」(八戸市、大塚勇社長)が、同市の北インター事業所内に開設した新工場の生産能力を急ピッチで増強している。工場は2017年12月に操業を開始し、機能性に優れた「アモルファス合金粉末」を製造。当初は25年までに生産量を年間6千トンに引き上げる方針だったが、計画を2年前倒しして23年のフル稼働を目指す。最先端の電子機器を取り巻くテクノロジーの進化は目覚ましく、製品の市場ニーズが高まっていることが背景にある。
 同事業所は八戸北インター工業団地内にあり、新工場の延べ床面積は約2200平方メートル。既に稼働している生産ラインに加え、現在は新たなラインの増設に着手しており、2ライン体制でアモルファス合金粉末の量産化を進める計画だ。
 増設するラインは、近く本格稼働を開始する見通し。今後、段階的に最新鋭の装置や設備を追加し、年間6千トンの製造を可能とする生産体制を整える。
 微細合金粉末はモバイル端末やパソコン、医療用部品などの原材料として使用される。中でも、アモルファス合金粉末は、電子機器の高機能化に対応できる省エネ性や軽量性に優れ、中長期的にも市場ニーズの増大が予想されている。
 同社は04年、独自の「SWAP製法」を開発し、アモルファス合金粉末の量産化に世界で初めて成功。主力製品として品質や供給量の向上を図り、海外企業との取引も活発化している。
 アモルファス合金粉末の需要動向に関し、大塚社長は取材に「自動車の電装化や自動運転技術の進展により、自動車産業でも利用拡大が見込まれる」と説明。次期通信規格の第5世代(5G)移動通信システムに対応したスマホや通信端末、IoT(モノのインターネット)の普及も供給量アップの好材料と捉える。
 1999年10月に設立した同社は今年で20周年を迎える。増産や新製品開発によって事業の拡大を進め、従業員は創業時の約6倍となる300人超に増加。北インター事業所では、事務所機能や会議室などを設けた管理棟を建設中で、今夏に完成する予定だ。
 今後の展望について、大塚社長は「先を見据えてアモルファス合金粉末のニーズに対応し、ナンバーワン商品として拡販していきたい」と強調。一方、製品の改良や新素材開発に取り組む重要性も示し、「次の事業の柱をしっかりと立ち上げ、企業の成長戦略につなげていく」と話した。

県南5社を新たに認証 青森県働き方改革推進企業(2019/02/23)

 青森県は22日、労働環境を整備し、従業員の結婚や出産の希望実現を積極的に支援する企業を優遇する「あおもり働き方改革推進企業認証制度」で、エプソンアトミックス(八戸市)など県南地方の5社を新たに認証した。認定はこれで88社となった。
 同制度は2017年度スタート。▽若者の経済的安定▽女性の継続就業―などの分野で評価項目を一定数満たせば申請でき、認証を受ければ県の入札での加点や融資面の優遇もある。有効期間は2年。
 このほか認証された企業は、鈴木建設工業(三沢市)、合同酒精酵素医薬品工場、サクサシステムエンジニアリング、サカモトアクエア(以上八戸市)。
 同日、県庁で開いた交付式で、県こどもみらい課の久保杉嘉衛課長が各社の代表者に認証書を手渡し、「引き続き、従業員の働き続けやすい職場づくりに取り組んでほしい」と激励した。

UIJターン就職目指して 八戸で企業訪問ツアー初開催(2018/09/22)

 八戸地域高度技術振興センターは21日、八戸市内で、同市へのUIJターン就職希望者らを対象とした企業訪問ツアーを初開催した。青森県内外から参加した12人が、ものづくりを手掛ける市内の事業所や工場を見て回り、地元就職への関心を高めた。
 UIJターン就職希望者が地元企業や市内の事業所について知る機会を設け、企業の人材確保につなげるのが目的。今回は、県外で働く地元出身者のほか、八戸高専の学生や求職中の若者らが参加した。
 一行は、いずれも八戸北インター工業団地にある企業3社の工場を訪問。このうち、エプソンアトミックス(八戸市)の北インター事業所では、大庭司事業管理部長から事業概要や自社製品などの説明を受けた。
 同社の主力製品で、スマートフォンやパソコン、自動車などの電子部品の原材料となる「微細合金粉末」の製造工程も見学した。
 長野県内の企業でシステムエンジニアとして働く男性(33)は「首都圏から離れた八戸にも、将来性が高い企業が多いことが分かった」と、地元就職に向けた意欲が高まった様子。
 約2カ月前まで東京で働き、現在は市内で求職中の男性(20)は「地元企業の事業内容を知ることができた。自分に合う会社をじっくり探したい」と話した。
 ツアーに先立ち、市内に拠点を置く企業4社による説明会が行われた。

トップ語る エプソンアトミックス・大塚勇代表取締役社長(2018/04/21)

 微細合金粉末の生産で世界トップシェアを誇るエプソンアトミックス(八戸市)。粉末はスマートフォンなどの電子部品の原材料となり、国内外で需要が高まっている。代表取締役社長の大塚勇さん(50)に、事業の将来性などを聞いた。
 ―業界の現状と事業の将来性は。
 主力製品の微細合金粉末は、スマートフォンやウェアラブル端末などに使う電子部品の原材料となる。スマホは高性能化によって新たな需要が生まれ、大手メーカーだけでなく、中国の新興メーカーにも当社の製品が使用されている。自動車の電装化により、車載用機器へのニーズも高まっている。業界は成長産業とされ、将来的に市場はさらに伸びるとみている。
 ―世界の市場で存在感を増している。
 微細合金粉末は日進月歩で技術や開発が進み、もたついているとライバル企業がすぐに追い付いてしまう。展示会では、エネルギー伝導や軽量性に優れた自社の「アモルファス合金粉末」をまねた製品も出てきている。
 トップを走り続けるためには、追ってくる新興国の企業にどう立ち向かうかが重要。ライバルがコピー製品を作ることを前提として先手を打ち、安定した品質と量産できる規模があることを市場にアピールしたい。
 ―社長に就任して3年目に入った。
 2004年に世界で初めて量産化に成功したアモルファス合金粉末は、私がエプソンアトミックスに入社する前の会社にいた1995年から研究を進めていた。当時は過剰な開発だと思われていたが、今は需要が追い付いて世界に広がった。
 自分が立ち上げた開発テーマをエプソンアトミックスで事業化し、社長として新工場を開設できた上、今こうしてトップランナーを走っていることは非常に感慨深い。
 ―経営理念は。
 地元になくてはならない会社を目指している。グローバルに活動する企業でありながら、八戸市を拠点とする方向性は変わらない。まだ具体的ではないが、農業や漁業など八戸の産業に製品を活用できないか考えたい。
 地元での認知はまだ十分ではない。雇用面では工場の増設に伴って人手不足感がある。若い世代に企業を知ってもらい、エプソンアトミックスに入社したいと思ってもらえるようにPRする。
 人材育成では技能伝承を重視したい。機械化が進んだとしても、品質保持や量産化に対応する技術が求められる。若手技術者だけでなく、指導に当たるトレーナーの研修も充実させていきたい。
 ―仕事のリフレッシュ方法は。
 子どもが小さかった時は魚釣りやスキーに行っていた。若い頃から体を動かすことが好きで、今は週末にスポーツジムで汗を流している。月に1回、会社の有志が集まって開催しているゴルフ大会も楽しみの一つだ。
 ―今後の目標は。
 アモルファス合金粉末の工場をフル稼働し、できるだけ早く生産量を年間6千トンに高めていく。市場の盛り上がりに応えることが重要だ。新製品の開発も進めたい。
 停滞は衰退の始まりになると自分に言い聞かせている。人はマンネリ化が最も怖く、良い時が永続的に続くことはない。恐れずに変化を意識し、前に進むことが新たな展開につながる。企業の根幹は人。人の進化が企業を進化させていく。

ヴァンラーレが新ユニホーム発表(2018/02/25)

 日本フットボールリーグ(JFL)のヴァンラーレ八戸は24日、今季の公式戦で使用する新ユニホームを発表した。これまでの丸襟から特徴的なデザインになった首元と、横に入ったストライプが目を引く。
 スポンサーは「MISTsolution」(東京)のほか、玉姫グループ青森、七洋、エプソンアトミックス、デーリー東北新聞社(いずれも八戸市)。ユニホームの各所に社名が入っている。
 八戸プラザホテルで開かれた発表会見で、ヴァンラーレの細越健太郎代表は「皆さまの力を借りながら、J3昇格という目標に向かって頑張っていく」と決意を語った。
 その後、同会場でキックオフパーティーが開かれ、選手4人が新ユニホームを着て登場。緑色のホーム戦用を着用した金井隆太は、伸縮性を備えたタイトな作りに「着やすくて動きやすい。ファンの皆さんにだらしない姿を見せないように、しっかりと体を鍛える」と着心地の良さを実感した様子。須藤郁貴主将は「主将としてチームを引き締めていく。これからヴァンラーレのサッカーをさらに良いものにして、開幕戦に挑みたい」と抱負を語った。

エプソンアトミックスの新工場完成 18年1月稼動開始(2017/12/21)

 スマートフォンなど電子部品の原材料となる微細合金粉末の生産で世界トップシェアを誇るエプソンアトミックス(八戸市、大塚勇社長)が、八戸北インター工業団地にある「北インター事業所」内で建設を進めていた新工場が完成し、20日に竣しゅん工こう式が開かれた。来年1月から稼働し、国内外で市場ニーズが拡大する「アモルファス合金粉末」を製造。段階的に生産体制を強化して主力拠点とし、2025年までに全体の製造能力を年間6千トンに高める方針だ。
 微細合金粉末は各種モバイル機器をはじめ、パソコン、自動車、医療用部品などの原材料として使用される。特にアモルファス合金粉末はエネルギー伝導や軽量性に優れ、スマホなどの高性能化を背景に中長期的にも需要が高まっている。
 新工場は16年11月に着工。北インター事業所の敷地約3万600平方メートルに、延べ床面積約2200平方メートルの工場を整備した。投資額は約12億5千万円。
 同社は04年、独自の「SWAP製法」を開発し、アモルファス合金粉末の量産化に世界で初めて成功。現在は同市河原木の本社工場で年間約2千㌧を製造しており、新工場の稼働によって生産量は現行の3倍にまで増強される見通しだ。
 自然災害など緊急事態に備えた事業継続計画(BCP)や危機管理の観点からも、2拠点体制となったメリットは大きいという。
 現地で行われた竣工式には、同社の親会社セイコーエプソン(長野県諏訪市)の碓井稔社長、三村申吾青森県知事、小林眞市長ら関係者約50人が出席した。大塚社長は取材に「アモルファス合金粉末は主力製品になっている。新工場をフル稼働し、一日も早く顧客に製品を届けられるようにしたい」と意欲を示した。

海を渡る地場産品 エプソンアトミックス「微細合金粉末」(2017/11/14)

 八戸市のエプソンアトミックスは、モバイル機器などの電子部品の原材料となる「微細合金粉末」の生産で世界トップシェアを誇る。最先端技術を支える製品として国内外から引き合いが強く、今後は一層の需要拡大が見込まれている。
 微細合金粉末はスマートフォンやタブレット端末、自動車、医療用部品など、現代社会に欠かせない多様なアイテムに使われる高機能部品の原材料。同社は現在、本社工場と八戸北インター工業団地にある「北インター事業所」の2拠点体制で生産し、製造能力は年間1万トン超に上る。
 「高圧水アトマイズ(粉末化)法」と呼ばれる製造方法により、高周波炉で溶解した金属を高圧水で微細化し、急速に冷却させて合金粉末を作り出す。粉末の粒の大きさは数ミクロンと極小。独自の工夫も加え、成分や特性が均一の製品にする。
 世界で初めて量産化につなげた独自の「SWAP製法」による「アモルファス合金粉末」の生産にも力を入れ、来年1月の稼働予定で北インター事業所に新工場を増設中。アモルファス合金粉末はエネルギー伝導や軽量性に優れ、スマホなどの高性能化を背景に市場ニーズが高まっている。
 製品は北米や欧州、アジア各国に輸出。特にモバイル機器の組立工場が立地する東南アジアへの供給が多いという。大野龍一事業管理部長は「八戸に拠点がある立地を生かし、世界を相手にした開発、製造を進めたい」と意気込みを語る。

「オフィス製紙機」八戸市が使用開始(2017/09/10)

 八戸市は4日、機密性の高い行政文書から再生紙を製造する「オフィス製紙機」の使用を開始した。市庁で起動式が行われ、関係者が情報セキュリティーの向上に期待を込めた。
 同機器は紙を繊維レベルに分解してから再生するため、文書の機密情報を完全に抹消できるのが特徴。コストはシュレッダーによる廃棄より割高だが、近年、個人情報管理の重要性が増していることから導入した。
 市庁で行われた起動式には、小林眞市長や機器を納入したエプソンアトミックスの幹部らが出席。小林市長が「セキュリティー対策と環境対策に積極的に取り組んでいきたい」と決意を述べ、起動ボタンを押した。
 機器は1日7時間稼働で、廃棄紙6400枚から再生紙約5千枚の製造が可能。年間5・6トンを処理する予定だという。

エプソンアトミックス新工場稼働 本社工場と2拠点体制に(2017/04/11)

 微細合金粉末の製造で世界トップシェアを誇るエプソンアトミックス(八戸市、大塚勇社長)が、同市の八戸北インター工業団地内にある「北インター事業所」で建設を進めていた新工場が完成し、10日から本格稼働した。同市河原木にある本社工場と2拠点体制での生産が可能になり、微細合金粉末の製造能力は従来の2倍となる年間1万トン以上に増強される。
 微細合金粉末は、主にスマートフォンやタブレット端末、自動車、医療機器に使われる高機能部品の原材料となり、多様な機器の電装化や小型化を背景に市場ニーズが高まっている。
 2013年に開設した北インター事業所は、原材料の金属を溶かして粉末化する「前工程」を担い、出荷までの「後工程」は本社工場に運んで対応していた。新工場の稼働で北インター事業所での一貫生産が可能になり、作業の効率化や安定供給が図られる。
 新工場の建物面積は約2300平方メートル。新たに1万平方メートルの用地を取得し、既存工場を拡張する形で増設した。後工程の生産ラインを整備し、粉末の粒の大きさを調整して製品化する「精整」や品質チェック、梱こん包ぽう、出荷までを手掛ける。
 投資額は約12億円。増設後の敷地面積は約3万600平方メートル、建物面積は約5300平方メートルとなった。
 大庭司事業管理部長は取材に「新工場の稼働で生産能力が高まり、製品を安定的に、タイムリーに供給できるようになる」と強調。「2拠点体制は危機管理や事業継続の観点からも重要性が高い」とした。
 同社はセイコーエプソン(長野県諏訪市)が100%出資するグループ会社。北インター事業所では18年1月の稼働開始を目指し、市場需要が高い「アモルファス合金粉末」を製造する専用工場を建設している。